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佐藤 晴真

©Wojciech Blindman

日本チェロ協会会報 第51号 (2018年4月27日)より

1. 近況を教えてください
ベルリンに留学して早2年が経ち、今では一人暮らしを満喫しています。 昨年度は留学して初めて、第13回ドメニコ・ガブリエリ・チェロコンクール(ベルリン)と第11回ルトスワフスキ国際チェロコンクール(ポーランド)を受け、大変ありがたいことにその両方で一位を頂くことができました。

2. チェロを始めたきっかけを教えてください
兄と一緒にチェロの演奏を聴き、自分もチェロを弾きたいと思ったのがきっかけです。チェロのずっしりと深く腹に響く音色に夢中になっていたようです。音楽一家という訳ではないですが、佐藤家では小さい頃から音楽が流れており、音楽が好きになれる環境で育ったことはとても恵まれていたと感じます。

3. 一番ワクワクするときは、どんなときですか?
室内楽を弾いている時、次に相手がどう弾いてくるか予測しつつ即座に反応し、音楽で会話ができた時です。音楽以外では、ネットで日本各地の温泉や行ってみたいレストランを調べている時にワクワクします。

4. チェロ以外に好きなことはありますか?
料理は好きで毎日家で作っています。いつもほぼ目分量で味付けしているので、どんな味になるのか想像しながら研究しています。

5. 今年開催された第11回ルトスワフスキ国際チェロコンクール(ワルシャワ)で見事一位を受賞されましたが、その時のことをお聞かせいただけませんか?
ルトスワフスキ国際チェロコンクールは、一言で言えばとても“アットホーム”なコンクールでした。初めての国際コンクールということで、みんなピリピリしているのかと思っていたら、スタッフの方々もみんな優しく接してくれましたし、みんなで作り上げていこうという姿勢も見え、リラックスしてコ ンクールを乗り越えられました。課題曲も多く、更にそれぞれの曲が作曲された時代も幅広かったので大変でしたが、本当に色んな方々に支えられこの結果に繋がったのだと思っています。

・コンクールで一番得たものは何ですか?
初めての国際コンクールだったとはいえ出場するからには本気で取り組みたかったので、今までにないほどの練習量をこなしました。その時期はとても大変でしたが、準備するにあたって私が一演奏家として何が足りないのか明確に知ることができ、それが一番大きな収穫でした。今回得たものは、主に“音楽の流れ方”だと思っています。

6. 今後どのようなチェリストとして活動していきたいですか?
私の音楽作りに於いて最も大切にしているのは“作曲家の意図”です。作品がどのように演奏されるべきか日々考えながら研究していますし、これからもそうありたいと思っています。今までは基本的には楽譜から研究していたので、これからは、今まで以上に各作曲家についての様々な文献を読み、幅広く勉強していきたいです。また、古楽にも興味があるので、一度ちゃんと勉強したいと思っています。