日本チェロ協会会報 第47号 （2016年10月20日）より

1. 近況を教えてください 　

8月末まで、長野県松本で毎年開催 されている「Seiji Ozawa Matsumoto Festival」に参加していました。9月は 25日の室内楽コンサートの準備にかか るまで、しばらくは夏休みです。

2. チェロを始めたきっかけを教えて頂 けますか？ 　

父が京都市交響楽団のチェリスト だったので、小学校1年生の時に父の手ほどきで始めたのですが、練習がいやで二年ほどでぷっつりと止めてしまいました。その後は高校までビートルズ にはまっていましたが、大学受験直前に再開することになります。実はジャ ズをやりたくて音大に入ろうと思い立ち、弦楽専攻チェロ科で京芸を受験し たのです。ちょうど入試の４ヶ月前、ビートルズの映画「レット・イット・ビー」 を見た後、無我夢中で受験準備に取りかかりました…浪人は覚悟でした。 奇跡的に合格、入学後は黒沼俊夫先生のレッスンが楽しくて、また音楽の 素晴らしさにも目覚め、とにかくできるところまでやってみようと、チェリス トを目指すことにしました。

3. 一番ワクワクするときは、どんなときですか？

　松本でのフェスティバル期間中のオフの日、上高地散策に行く朝一番の電車に揺られている時です。

4. チェロ以外に好きなことはありますか？

　レオンハルトのバッハを聴く事、蒲団の中で志ん生の落語を聴きながら眠 りにつく事です。

5. プロのチェリストを目指している学生や若いチェリストに望むことはあり ますか？ 　黒沼先生の言葉をみなさんにも…「常にお客の身になって弾くこと」…こ れを徹底して実現するのは意外に難しいですよ。もうひとつ、演奏するには 様々な要素が必要ですが、技術面、表現面ともに試行錯誤を繰り返しなが らも、少しずつ自身のスタイルを見つけていってほしいと思います。