高橋 麻理子 たかはしまりこ
桐朋学園大学首席卒業、皇居桃華楽堂新人演奏会に於いて御前演奏を行う。
霧島国際音楽祭にて特別奨励賞、及びサントリー賞受賞。第６回大阪国際室内楽コンクール、トリオ部門にて日本人初の第三位入賞。
これまでにチェロを井上頼豊、倉田澄子、堤剛、ユリウス・ベルガーの各氏に師事。バロックチェロを鈴木秀美、シュテファン・シュルツ、グィド・ラリッシュに師事。2007年より渡独、現在フランスの古楽団体「Le Concert Lorrain」メンバー。
2021年8月、世界初録音を含む「間宮芳生 チェロとピアノのための作品集」(令和三年度第76回文化庁芸術祭参加作品)がコジマ録音(ALM RECORDS)よりリリース。
レコード芸術「準特選盤」、朝日新聞夕刊「for your Collection 」推薦盤、音楽現代「推薦盤」に選ばれた他、日経新聞ディスクレビュー掲載など各誌上においても高く評価された。
また2019年よりフォルテピアノ 羽賀美歩、ヴァイオリン髙橋奈緒とともにオリジナル楽器を使用したピアノトリオ「トリオ・ハービッヒ」を結成。
2021年12月ファニー・メンデルスゾーンの室内楽作品に焦点を当てた「ファニー・メンデルスゾーン室内楽曲集」をコジマ録音(ALM RECORDS)よりリリース予定。
日本チェロ協会会報 第44号（2015年8月31日発行）より
1. 近況を教えてください
日本では今年で5年目になりま したが文化庁主催の企画で、ドイ ツ、カナダ、広島から集まったメン バーと毎年一度、ピアノトリオで 各地の小学校を周りアウトリーチ 活動を続けています。昨年から は、埋もれた様々な曲たちに焦点を当てるチェロデュオの演奏会 も始めました。 またバロック音楽の魅力に惹かれ、最近はフランスのバロック アンサンブルなどでも活動しています。とても奥深い世界で勉強 のしがいがあります。
2. 成育医療研究センターで演奏されていらっしゃいますが、どのようなきっかけで演奏されたのですか？
私の息子が1歳半と4歳半の時に二度、成育で手術を受けまし た。入院中不安が色々とあり、精神的に疲れてしまっていたので すが、先生方の親身な診察やスタッフの方々の明るい対応にと ても救われました。その時の長期入院の付き添いの親御さん達 の姿がとても目に焼き付いています。何か恩返しをしたいなぁと ずーっと考えていて、ようやく昨年ボランティアでのコンサートが 実現。子供達、親御さん達、先生方やスタッフの皆さんにも、と ても喜んでいただけて本当に嬉しかったです。
3. ドイツの音楽活動においてエピソードなどありましたら教え て頂けますか。
一口にドイツといっても、土地によって環境がかなり様々なの で、私が感じたことなのですが、、。例えば、日本だとオーケスト ラの本番前に有るGPは、ドイツでは、前日に行います。本番当日 は各自のウォーミングアップのみで本番に臨むので、最初は緊張 しました。また、日本ではコンサートに行くと必ず山程貰うチラ シですが、ドイツでは全くそういうことがありません。でも、不思 議なことにコンサートには、結構お客様がいらっしゃいます。ド イツは日本ほど娯楽の多様性が無いので、自然とクラシックコン サートへ行こうという人たちが多いのかなとも思います。
4. 今後の展望をお聞かせください。
音楽のことだけではなくて、色々な事について考え、興味を持 ち続けていきたい。歳を取っても弾き続けていたい。10年前には 全く出てこなかった答えだと思います。